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婚外子(非嫡出子)の相続格差に最高裁大法廷



最高裁大法廷は1995年(平成7年)、法律上の夫婦の子(嫡出子)と婚外子(非嫡出子)の相続格差(遺産相続分を嫡出子の半分とした民法の規定)について、「合理的な根拠があり、理由のない差別には当たらない」と合憲と初判断しましたが、15年後の2010年、この格差を定めた民法の規定について、最高裁大法廷が再び憲法判断を示すこととなり、15年前の判例が見直される可能性も出てきました。


相続格差については1995年に合憲と判断していましたが、15裁判官中5人は違憲としており、1995年の大法廷決定後、最高裁の各小法廷での5件の判決などでも合憲判断が維持されていましたが、「親が結婚しているかどうかという、子には決められない事情で差をつけるのは不合理」、「子に責任がないのに差別的に取り扱うのは明らかな憲法違反で、国際的にも遅れている」などと、5件いずれも違憲との反対意見もありました。


嫡出子・非嫡出子


近年、事実婚やシングルマザーを選択する人が増えたことなどから、1995年の大法廷決定以降、15年で婚外子(非嫡出子)の出生数は約1.5倍に増えており、「家族」に関する価値観の多様化を最高裁の15人の裁判官がどのように受け止め、憲法との適合性をどう判断するのかが注目されます。


~婚外子(非嫡出子)の割合~


○1995年⇒約14,700人(出生数全体の1.2%)

○2008年⇒約23,000人(出生数全体の2.1%)


今後、大法廷での審理に加わる竹内行夫裁判官は、2009年9月の決定で、補足意見として「社会情勢の変化などを考慮すれば、相続格差を正当化する根拠は失われつつある」と指摘。「現時点では違憲の疑いが極めて強く、国会が規定を改正することが強く望まれる」と述べています。


平成22年7月10日・読売新聞より一部引用


確かに1995年当時に比べれば家族を取り巻く環境は大きく変わり、生まれてくる子供には罪はありませんが、いわゆる正妻と愛人の子供?の相続分が同じになれば、これはこれで問題がありそうです。


いずれにしても判例が見直される可能性もありますので、注目していきたいところです。



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